森井聖大ファンクラブ通信

    マイペース・マイワールド

    人間不信

    あの人は悪人なのか。
    人のいい私を騙しているのだろうか。
    それともこんな風に疑う私こそが悪人なのだろうか。
    待てよ。
    真の悪人は一見善人そうなあの人ではないか。
    いったい、何を企んでいるのだろう。
    いや、それはさすがに疑いすぎかもしれない。
    もう、みんな悪人にしか思えない。
    人間はみな悪人で、なぜか私だけ善人なのだ。
    どこかに、私以外の善人もいるのだろうか。
    しかし、本当は、逆で、みな善人で、私だけ悪人なのではないか。
    自分が悪人だから、他人も悪人だと疑うのではないか。
    いったい、真実は、どこにあるのだろう。




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    アクラシア

    新しい小説を書きはじめた。
    タイトルは仮にアクラシアとしている。
    現代において人間らしい人間ほど愚か者とされる。
    しかしながら、本当の人間らしさとは、何であるのだろう。
    そのことを、真摯に問い詰めながら、ゆっくりと書いていくつもりだ。
    今日は、僅かばかり、冒頭だけ描いた。
    まずは、まだ影のような彼の精神性、原風景を、そのまま描写しただけだ。
    ただ、この彼が、男なのか女なのか、人間なのか未人なのか、まだ何もわからない。


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    きみが見たじゃないか

    太陽が照りつける真夏の昼。

    誰も通らない路地のわきに小さな花壇があった。

    私が、その花壇を見つけたのは、つい昨日、学校の帰り道、いつもは通らないその路地に、ふと踏み込んだ時だった。

    うちに帰り母に聞くと、母は何食わぬ顔で、こう言った。

    「ああ、あれは、どっかの得体の知れない老人がやっているのよ。もうわたしが子どもの時から、ずっとああして、花壇の手入れしているのよ。自分の家でもない誰も通らない路地の細道なのに。変わりモノよ」

    「ふーん、この町に、そんな変な人がいたんだね」

    何十年も、来る日も来る日も手入れし、綺麗な花を咲かせているらしい。

    何だか気になり、今日も路地に入ったら、ちょうどその老人がいた。

    曲がり角に隠れて、しばらく老人を見ていたら、腰を曲げ、土をいじり、花に水をやり、満足そうに空を見上げ、背伸びした。

    私は、好奇心を抑えきれず、老人の側に近づいた。

    「お花、綺麗だね。でも、誰も通らない路地だから、何だか意味ない気がするよ」

    私は、少しどきどきしながら、昨日からの想いをぶつけてみた。

    すると、老人は、私を見て、こう言った。

    「きみが見たじゃないか」


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    呼び声

    きみは、いつ、死ぬのか?

    宇宙の果てから呼ぶ声。

    きみは、いつ、死ぬのか?

    まるで何もかもわかっているかのように。

    確信に満ちた声で。







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    うさぎのカズコ

    うさぎのカズコは52歳。

    私は8歳。

    だから、おばあちゃんみたいなものだけど、いつもカズコは私に甘えてくる。

    私はカズコがうさぎだって思わないし、おばあちゃんくらい年が離れていることも想像できない。

    カズコと私はよくおしゃべりをする。

    トモダチみたいな感じ。

    白くて可愛い52歳のカズコ。



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