給料日

    予約していた歯医者をキャンセルした。
    金がないからだ。
    世の多くの人にとっては、給料日とは、月に一度の金が入る楽しみな日なのだろう。
    だが、私にとっては、給料日が1ヶ月で一番嫌な日だ。
    貧乏人ならわかるだろう。
    月末の支払いで全て消えていき、一銭も残らないどころか、足りないのだ。
    いつの頃からか、私にとって、給料日は生殺しの地獄のようだ。
    月に一度の断末魔。
    21世紀に給料日なんていらない。
    私たちには、もはや苦痛でしかないのだ。
    さて。
    酒でも飲んで、寝るか。
    つまみは、もちろん、ポテチだ。
    どうせ明日になれば地震が待っているのだ。
    今日は幸せな人生だ。

    停電の夜はキャンドルナイト

    昼過ぎ玄関ドアを激しく叩く音がした。
    宗教やセールスにしては強引すぎる。
    借金取りか。
    放置しておいた。
    それからすぐ停電になった。
    つい先日ケーブル火災で都内が停電したというNEWSを見たばかりだった。
    東電だけでなく九電もか。
    ホント殿様商売だな、しっかりしろ。
    腹が立った。
    その後、カランと音が鳴った。
    どうやらポストに何かが投げ込まれたようだ。
    何事かと見に行った。
    九電からの通知書だった。
    「再三の請求にも関わらず、料金の支払いがない為、不本意ながら電気の供給を停止します」
    ケーブル火災ではなく、料金滞納だったようだ。
    しかし、言うに事欠いて、何が不本意ながらだ。
    おまえの意志だろ。
    正直にいえ。
    払わないから嫌がらせしたのだろ。
    払わないくせに態度がでかいから腹が立ったのだろ。
    まあいい、所詮、猿の群れだ。
    私はこの日の為にダイソーで12個入りのキャンドルを買っていたのだ。
    その1つを取り出した。
    これから数日間、夜はロウソクの灯りですごす。
    まるで何かの儀式のようだ。
    何か呪文を考えようか。
    電気の一切通っていない部屋は静寂そのものだ。
    煙草をつけるライターの火さえ眩しく感じる。
    ロウソクの火を見ていると、色々なことを思い出す。
    マッチ売りの少女の、あの火だ。
    前世とまではいかないが、何やら幼少時代が漠然と浮かんでくる。
    たまにはこういう日がなくてはいけない。
    私は、久しぶりに、幸福感に満たされた。

    キャンドルナイト



    〈ガラケーから送信〉


    【怪談】差し歯

    ようやく、5月に折れた前歯が入った。
    こんなものは型をとってすぐ入るものだろうと思っていたが、意外に時間がかかった。
    歯科医が言うには「まず折れた歯の周りの虫歯など治療して、それから歯を入れる」とのことだった。
    TV番組を見ていたら、たしかローラが「歯が汚いおじさんは嫌い」みたいなことを言っていたのを思い出した。
    それにもまして40にもなって歯痛でのたうちまわるのは情けないことだ。
    一念発起し、途中、金欠で一ヶ月程度行けない時もあったりしたが、ほぼ毎週通った。
    ほぼ虫歯だったせいで、約5ヶ月もかかってしまったのだ。
    ようやく、折れた方の上半分の治療がほぼ終わり、待ちに待った前歯が入ったわけだ。
    それでも不思議なもので、5ヶ月も前歯がない状態で生きていると、「これはこれで人間の顔として味があるな」と思い始めていた。
    多少、名残惜しい気がした。
    だが、前回のポエイチの際に、少しばかりの人の目に焼き付けたはずだ。
    それを心の拠り所に諦めるしかない。
    はじめての前歯の差し歯だったから、値段がわからずに不安だったが、この5ヶ月間、ほぼ1000円前後、多くても3000円前後の料金だったから、どこかで油断していた。
    「最近は歯医者も安くなったもんだ」と思っていた。
    しかし、さすがに差し歯は桁違いだった。
    なんと6500円もかかったのだ。
    思わず「えっ!」と叫んでしまった。
    とはいっても、もう歯は入った後だし、四の五の言っても仕方ない状況だった。
    決心して、財布を開き、全財産8000円の中から6500円という大金を払った。
    家に帰り、鏡の前でニッとした。
    歯はある。
    その後、いつものように、「いくらなんでも高いな、ぼったくられたのではないか」と被害妄想のようなものが湧いてきた。
    すぐさま、ネット検索した。
    差し歯自体は5000円程度するものらしかった。
    これでも保険範囲内の最低限らしい。
    保険適用外の良い歯になると、5万くらいから20万くらいまでのもあるそうだ。
    そういえば、先々月くらい、治療中、隣の席のじいさんが、1本5万程度の歯を4本入れる、というような景気のいい話をしていた。
    歯科医は「総額で20万5000円になりますが、端数の5000円は割引しておきます」なんぞと言っていた。
    ということは、今回なけなしの金をはたいて入れた私の歯なんぞは、じいさんの歯の割引分だ。
    歯医者にとっては、私の歯の料金など要らない金なのではないか。
    そう考えると、私にとっては、一大事であり、高額な支払いだったのだが、彼らにとっては叫び声をあげるほどの高額な金ではないのかもしれない。
    ただ、歯が入ったことは良かったが、あと10日程度、たったの1500円で生きることになったせいで、肝心の食べるものが何もない。
    恐ろしい話だ。




    貧乏人の為のレンタカー会社の選び方ー格安レンタカーの落とし穴ー

    貧乏人はつい目先の金「安いから」という理由でレンタカーを選びがちだ。
    だが、私の経験上、何も起こらない場合安くすむが、いざという時高くつくのが格安レンタカーなのである。
    今日は、このことを、後から来る者たちに、書き残しておきたい。
    ニコニコレンタカーという全国にFC展開する格安のレンタカー会社がある。
    毎日クルマが必要ならば買うしかないが、毎日は必要ない。
    たまに必要な時があるが、そんな時は、レンタカー作戦でいこう、と決めていた。
    早速、必要になり、先日、ここで、借りた。
    当然、もしもの時のオプションで1000円の保険に入ったが、それでも24時間借りて5000円と他の大手のレンタカー会社に比べて半額程度である。
    但し、この保険では、対人対物は無制限で手出しも0円だが、自損事故に関しては修理代金が実費負担になるとのことだった。
    そういう説明を受けたが、何を隠そう私はベテランドライバーであるし、今まで事故は0である。
    対人対物は相手がヘタクソな場合や爺さん婆さんの飛び出しなど不測の事態が起こりうるが、自損などは私の腕前ではあり得ないだろう。
    だが、ここに、格安レンタカーの落とし穴があった。
    とある観光名所の狭い駐車場に止めた際、慣れないクルマで車幅がわからず、バック時に、ガガガガッと横の鉄製の表示物に擦り付けてしまい、ボディの塗装がベリベリと結構な感じで剥げたのだ。
    すぐにクルマを降り確認したところ、塗装ペンではちょっと無理なレベルだった。
    その場でレンタカー会社に連絡したが、当然、事前説明通り、「自損事故は保険の適用外だ」とのことから、警察も何も呼ぶ必要もない、自腹になります、とのことだった。
    一体いくら請求されるのかビクビクしながら、こうなるともはやニコニコレンタカーではないビクビクレンタカーだな、などと処刑台にのぼる死刑囚のような気分で、翌日、レンタカーを返しに行った。
    請求金額は3万円であった。
    内訳は、そのレンタカーが営業できなくなる休業補償NOC(ノンオペレーションチャージ料)として2万円と修理代1万円だとのことだ。
    結果、3万5000円も払う羽目になった。
    このことがあって、すぐに得意のネット検索で調べたら、格安のレンタカー会社はニコニコだけでなくどこも自損事故では保険適用外なところが多かった。
    そもそもそういう安い保険に加入しているのであろう。
    一方、大手のレンタカー会社ならば、オプションで自損事故でも手出し0円になる保険があり、レンタカーの休業補償NOC(ノンオペレーションチャージ料)なども払わずに済むところもあった。
    ということは、はじめにケチらずにいれば、1日のレンタル代1万円だったとしても、3回も借りられたことになるのだ。
    レンタカーは普段乗っていない車である。
    いくら腕に自信があっても、車幅なども捉えにくく、自損事故の可能性は高い。
    ちなみに、これまた得意のネット検索で調べたら、レンタカーでの事故の半数以上が自損事故だ。
    このことを考慮し、そもそも自分の車なら擦ったくらいで修理などしないのだし、借りているのだから私の車ではなく持ち主(レンタカー会社)が修理するといえば従うしかないのであるから、レンタカーならば、いや、レンタカーだからこそ、なおさら慎重になるべきだろう、と思い知った次第だ。
    だが、時すでに遅し。
    安いからこそ、ただそれだけの理由で、格安レンタカーの雄ニコニコレンタカーを借りたわけだが、結果として大手の3.5倍もの高額な支払い金額になってしまったわけなのだった。
    これぞまさに、安物買いの銭失い、本末転倒である。
    貧乏人は貧乏であるからこそ、もうそれ以上、金はないのだ。
    無謀な賭けに出ずに、一見、割高のように見えても、大手レンタカー会社で借りた方が賢明だろう。
    あー、ちくしょう!
    何でぶつけてしまったのだろう!
    クソ、クソ、くそったれ!
    自分自身に腹が立ってしかたない!
    無い金を他の支払いを遅らせてまで無理して払わなくてはいけなくなったのだ。
    またもや携帯が止まるのだ。
    電気もガスも水道も!
    クソ、クソ、くそったれ!
    ともかく、貧乏人ならば、貧乏人の特性として余分な金は無いのだから、レンタカーを借りる時は借りる時だけの金(保険代含め)が全てになるようにしたい。
    但し、大手レンタカー会社は保険に入りさえすれば自損でも修理代は保険適用となるのだが、ノンオペレーションチャージ(NOC)に関しては、トヨタレンタカーでもニッポンレンタカーでも、やはり2万円という金を取られる。
    2万円くらいならというプチ貧乏人ならば、それでもいいだろう。
    だが、私たちほどの筋金入りの貧乏人には、大手というだけではダメなのだ!
    私たち貧乏人に2万円なんて大金があるわけないのだ!
    ということで、万全を期すならば、私の調べでは、今のところ、オリックスレンタカー日産レンタカーだけは、オプションでNOC免除プランがあり、はじめに全ての保険(総額2000円くらい)に入りさえすれば、一切の追加金が発生しないようになっている。

    オリックスレンタカーは、免責補償制度(CDW)24時間1080円とレンタカー安心パック648円で、計1728円。
    日産レンタカーでは、免責補償制度1296円と日産安心サポートプラン(NAS)540円とNOCサポートプラン540円で、計2376円。
    参照HP:オリックスレンタカー日産レンタカー


    金額的には、レンタカー代そのものはほぼ同額だから、保険代の分500円~600円ほどオリックスレンタカーに軍配が上がる。
    よって、貧乏人に最適なのはオリックスレンタカー、次に日産レンタカーだ!という結論に達した。
    といっても、それは次回からの話である。
    今回は、もう、どうしようもない。
    夏休みの終わりにレンタカーを借りて、娘を連れ福岡まで遊びに行くという計画は、これで完全に不可能となった。
    全て、私の、不徳の致すところ、である。

    全手動洗濯機ー洗濯機を持たない粋人の為の家での手洗い方法(手順書付き)ー

    昨日、軽自動車をスクラップ屋に売りに行った。
    1万3000円で引き取ってもらった。
    この車は、約6年ほど前、知人から10万で買い取り、21万キロまで乗った。
    たいして大事に乗っていないが、軽自動車として天寿を全うした、と思う。
    最後の方は、皆さんも知ってのとおり(壊れたクルマ奮闘記壊れたクルマ奮闘記2)、私も彼(クルマ)も、懸命だった。
    まさしく大往生だった。

    しかし、新たな問題が浮上してきた。

    そう、洗濯である。
    私は家に洗濯機という野暮な機械を置かない主義だ。
    川へ洗濯に行くように、これまで2週間分の洗濯物を車に積み、2週間ごとにコインランドリーへ通っていた。
    そういうライフスタイルの提唱者だった。
    しかし、車は手放し、今は1匹のイージーライダーとなった。
    当然、ライフスタイルの変更を余儀なくされる。
    洗濯機は無粋だ、だから家に置かない、この考えに変わりはない。
    しかし、もうコインランドリーには行けない。
    そもそも、コインランドリー作戦は、車なくしてはできない作戦なのだ。
    2週間に1度、大量の洗濯物を持っていくから、安くすむ。
    これがバイクで、例えばリュックに背負って、1週間に1度、洗いに行けば、単純計算で今までの2倍の洗濯代がかかる。
    これでは本末転倒になる。
    そういうことから、もはや考える余地が無いほど、明確ではある。
    よし、手で洗おう!
    私は、早速、洗剤を購入し、家で洗うことにしたのだが、意外や意外、私はバカなのか、なんとしたことか、洗い方がわからないのだ。
    簡単に考えていたが、何しろ、洗濯機に洗剤を入れてボタンを押すと洗濯と称し洗濯機のドラムが回りだす、というわけにはいかないのだ。
    私はまるで現実の前に立ち尽くす一人の途方に暮れるロバだ。
    これまた不思議な話と宇宙人たちはせせら笑うだろうが、そもそもは手洗いをヒントに洗濯機なる機械を考え出したのであろうが、長らく機械任せにしていたことで、何とまあ、洗い方を忘れてしまったドジで頓馬な地球人である私がいたのだった。
    そもそも生まれてこのかた洗濯機があったのだから、手洗い洗濯の方法などわかるはずもない。
    私は、うず高く積まれた大量の洗濯物を前に、立ち尽くすしかない。
    嗚呼、この哀れな現代人が私か……。
    私は、21世紀初頭の人類の悲しみを体感してしまった。

    洗濯の山

    しかし、さすが私であった。
    そこは、ただの現代人ではない、なぜかわからぬが、戦災孤児のような精神性を有している。
    試行錯誤の末、現代21世紀初頭の住宅事情にふさわしい、最高最適な手洗い方法を開発した。
    それを、今日は、後から来るだろう、洗濯機のない人々の為に、書き遺しておきたい。
    今回そういう主旨のブログだ。

    新しい洗濯場は洗面台だ。
    洗面台に栓をすればタライなのだ。
    洗面台=タライ

    手洗い手順書
    ・洗濯
    ①洗面台に、栓をし、水を貯める。
    ②洗濯物を入れる。(Tシャツなら3枚、パンツなら5枚、ズボンなら1着。)
    ③洗剤を入れ、水と洗剤と洗濯物をなじませるように、適度にかき回す。
    ④揉み洗い、擦り洗い、押し洗いを気の向くまま行う。(襟首の汚れなどは直接洗剤をかけ生地同士を擦りあわせると即座におちる。ただ他は特に考えない。順番や時間など、とにかく適当に、気の向くまま、心の中でジャブジャブジャブと呪文のように唱えながら、水遊びをしているような気持ちで。)
    ⑤栓を抜き、水を排出。
    ・すすぎ
    ⑥栓はせずに、勢いよく水をだしながら、1枚ずつすすぎ洗いをする。(気分のまま、揉み、こすり、押す、を繰返す。)
    ⑦再び、栓をし、水を貯め、今度は貯めた水の中で、揉み、たまに押す、を繰返す。(ここまでくれば、もうほぼ揉むだけ、で良い。心の中でモミモミモミと呪文のように唱える。)
    ⑧もう1度⑦を繰返し、たまに、心の中でグルグルグルと唱えながら、水の中で洗濯物をかき混ぜる。(洗濯物を魚のように泳がせるイメージ。あるいは羽衣が風に舞う感じ。)
    ・脱水
    ⑨栓を抜き、水を流し、洗面台の上で、洗濯物を絞る。(ぞうきん絞りと同じ。なるべく生地を薄めにとり、何度も、よく絞ること。)
    ⑩ベランダに干す。
    終わり。

    こうして手順として文字におこすと、面倒な印象を受けるだろう。
    だが、実際、適当で良い。
    はじめは腕が疲れるから、肉体的疲労と相談しながら、臨機応変に対応してほしい。
    全ての問題は考えれば解決する。
    もう大丈夫だ。
    参考になっただろうか。

    洗面台での手洗い法
    例:Tシャツ3枚

    注意点。
    ・ジーパンや、布団カバー、カーテンなど、ごわつくものや大きなものは、風呂場で洗い、風呂の残り水などを使いバスタブですすぎをすること。
    ・全手動洗濯機の問題点は腕が疲れることだが、筋トレと思って、最後はやけくそ気味に頑張りたまへ。




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