哀しき旅人

    今月は、かなり精力的に歩きました。
    熊本、鹿児島、福岡、大分と、それぞれ1泊ずつしました。
    はじめて九州新幹線とオレンジ鉄道というローカル線にも乗りました。
    改めて思いますが、同じ九州であっても、それぞれ特色があり、住んでいる人も様々ですね。
    あまり人が行かないところ、行っていても見過ごしている場所を選びました。
    そのような風景や人間模様を詳述したいところですが、このような御時世なので、もはや何もかもが大げさな宣伝のようなものになり、私の言わんとしている事の真意を離れてしまうことでしょう。
    何か別の形、例えば紀行小説のような体裁で、これから先の旅などもまとめて、いつか提示したいと思っています。
    もともと私の人生は、そもそもの初めから、旅のようなものでした。
    きっと、どこにも定住できない民族のDNAが入っているのでしょう。
    旅人は気楽です。
    ただ時に深い悲しみにも襲われます。
    先日、久しぶりに大分の都町に行きました。
    いくつかの土産話を持って、生存証明のような挨拶を兼ねて、馴染みの店を回ろうと思っていました。
    しかし、一番先に行こうと決めていた店がなくなっていました。
    落ち着けることで大好きだった小料理屋Hという店の看板がなくなっていたのです。
    「繁盛していたからそんなはずはないだろう……」
    私は自身の目を疑いましたが何度見ても看板はありません。
    「Kさんは大丈夫だろうか……」
    旅人は確かに気楽なのです。
    ただ、それぞれの日常に関わりがない為、ほとんどの事を、誰も何も教えてくれません。
    このような、小さいけれども深い悲しみは、埃のように旅人の心に蓄積されていきます。
    ひとりぽっちの旅人は、それでも、次の町へと歩いていきます。

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