牟礼鯨土砂降りの涙

    地震が落ちついたかと思ったら今度は大雨がつづいている。
    天気の影響で気分が落ち込むのか鯨の事を考えたら涙が止まらない。
    どうしてこんなことになったのだろう。
    先日、福岡の公園のベンチに並んで座り、話をした。
    「もしおまえが文フリ以外のイベントをするなら手伝うよ。何でも言ってくれ」
    すると、鯨は、こう言った。
    「文フリに足りないのは批評だ。きちんと批評しないと作家は伸びない」
    私の言っている意味がわからないのかと再度尋ねてみた。
    「いや、文フリはもういいじゃないか。色々あって一生出られないかもしれないんだしね。そうじゃなくてさ、文フリじゃないイベントでもいいじゃないか」
    すると鯨は頭がおかしいのじゃないかと思うほどの本気さでこう言った。
    「文フリの本を全部買って全部批評しないとダメなんだよ。きちんと厳しく言わないとゴニョゴニョ」
    こんな感じでもうこれ以上話にならなかった。
    だが文学フリマへの強い想いがあることだけはわかった。
    「おまえ、文学フリマに出たいのか?」
    鯨は、一瞬、下を向き、それから語気を強め、こう言った。
    「いや、出ない!入場禁止が解かれようと、二度と出ない!そんなことはもうどうでもいい!」
    強い口調と裏腹にどこか悲しい言葉だった。
    そうして、私は、本当に、どうすることもできない、深い哀しみを感じた。
    話を聞けば聞くほど、どうにも出来ない歯痒さだけが込み上げた。
    どちらにしろ、もういいじゃないか、と私は思う。
    牟礼鯨は、文学フリマが、大好きなのだ。
    それも、誰よりも、大好きなのだ。
    それくらい、みんな、わかっているはずだ。
    誰かを責めるつもりもない。
    色々あったかもしれない。
    だが、謝るとか謝らないとか、好きとか嫌いとか、そんなこともういいじゃないか。
    高村さんも知っているし、鯨も知っている。
    どちらも良い人だ。
    他の文学フリマの作家たちみんなで飲んだこともある。
    あの日、ちょうど、もう3年前か4年前か、全国に文学フリマが広がる先駆けとなった、第一回大阪文学フリマの前夜だった。
    デジタルカフェでの鯨ナイト。
    文フリスタッフの人、作家たち、みんなで飲んだ。
    あの奇跡的な一夜のことが、ありありと眼前によみがえる。
    あの日、熱い気持ちを口に出したのは、上住くん一人だった。
    だが、あの日、あそこに集まった人はみな、何かしら文学フリマに熱い想いを抱いていた同志だったはずだ。
    どうしてこんなことになったのだろう。
    どうして、こんな風に、いがみ合わなければいけなくなったのだろう。

    「なあ、きみ、何とかならないものだろうか」

    土砂降りの涙が止めどなく溢れてくる。
    年のせいだろうか。
    どうにも最近涙もろくなってしかたない。

    コメント

    瞬きもせず

    狭い日本で、たいてい、発言や言動を支配する、原理を、見極めてきました。要するに、自己否定を、拒絶したい、現代思想だ。絶対的に、日本人や、イギリス人や、文学フリマ人や、であるという、アイデンティティーは、宗教であるから、文学にとっては、どうでもいいことだ。

    人間それ自体

    それが、いつも、どんな時代においても、私は、知りたいことだ。私などどうでも良い。何もしていないのに? 何かをしているとは何か? 作家だけが何かをしていると思うでない。自分自身の間違いに気づくがよい。

    現実に飲まれた文学とは単に自慰である。僕はいよいよ時間の不安と危機感により、二度とコメントしませんから、僕を、がっかりさせないように、頑張ってください! 

    文学フリマはどうでもよい。現代は出版危機ではないか。今さら、文学フリマなど、愚痴でしかない。売れなければいけない。それは、買うまでに応援したい、と愛する人から信じられたいという作家である決断である。苦しい、決断である。

    Re: 瞬きもせず

    小倉君へ

    人の評価などどうでもいいことです。
    ましてや、小倉君を、がっかりさせようと、そんなことは、更にどうでもいいことです。
    最後、小倉君に、これだけは言っておきたい。
    「おまえが頑張れ」

    以上。

    No title

    老いたね。
    でも、老いるってのはそんなに悪い事じゃ無いでしょう。
    今まで泣きもしなかった事柄で涙が流れるなんて、何とも素晴らしい話じゃないですか。

    感性の鋭さを失った代わりに、感性の豊かさを得たんだと思いたいものです。

    また飲みましょう!

    Re: No title

    錆助さんへ

    先の事件ではお世話になりました。
    いつかまた錆助曰くシリーズ2ndをやりたいものです。
    また飲みましょう。
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