森井聖大ファンクラブ通信

    マイペース・マイワールド

    隣室の喘ぎ声

    何やら甲高い声が聞こえてきた。
    はじめ発情期の猫のソレかと思った。
    だがしばし耳をそばだてると人間の女の声と気づいた。
    最近アパートの隣室に越してきた男が大音量でAVでも見ているのだろうか。
    それほど、女の喘ぎ声が、まるでプロのようであった。
    だが3分も経たずして確信した。
    最近越してきた男が女を連れ込んだのだ。
    そんな生命力溢れたご近所さんの喘ぎ声が大音量で聞こえているのだ。
    猫とAVという推測により完全に初動捜査に遅れをとったが、気を取り直した聖は、椰子金の地底レポートに心の耳を塞ぎ、ベランダの窓を全開に開け、隣室の喘ぎ声に耳を傾けた。
    時計を確認すると、ほぼ深夜2時ジャストに、この夜の営みははじまった。
    聖の関心事は、ただ、次の一点のみだ。
    一体、何分、持つのだろう。
    地上の(早漏気味の)男性のほとんどが気になるところであろう。
    それから時計を気にしながら女の声を観察した。
    なかなかに長かった気もするが、終わってみると15分程度だった。
    15分か……。
    前戯も含まれているのだろうか。
    そうだと思いたかったが、女の声が一度も途切れなかった事から推察すると、そうとも言い切れなかった。
    悔しいところだが、挿入してからの喘ぎ声の可能性の方が、高かった。
    2時15分頃に男が果てたのか、それから3分間ほどの沈黙があり、のち隣室から話し声が聞こえてきた。
    その後、すぐに背中を向けて寝たのであろう、2時半には完全に町は静寂に包まれた。
    その間も椰子金は、地底で出会った浦島太郎レポートを声高に叫んだ。
    「おーい、それどころではなかよ!」
    しかし、聖にとっては、文字通り地底どころではなく、今日の出来事にすこぶる感動していた。
    というのも、まだ隣室の男の顔も女の顔も見ていないから、想像力が駆り立てられるのである。
    約15分間一時も休むことなく腰を動かし続ける生殖能力に長けた男の顔とはどんなものであろう?
    それにもまして、まるでプロのような、AV嬢のような、声音で喘ぎ続ける女とは、どんな見かけの人物であろうか?
    元来ああいう喘ぎ方は自然のものではないという疑念を聖は持っていた。
    男を喜ばせる為の処世術のような所謂フェイクだというクールな分析をしてきたのである。
    女の身なりや容貌で本物なのかフェイクなのかある程度の推測もできる。
    「椰子金よ、地底も地底で大事なのはわかる。だが、これもまた、人類研究の一環なのである」





    Posted by 椰子金次郎 on  | 0 comments  0 trackback

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