マイペース・マイワールド

    金持ち喧嘩せず

    豹的肉体

    急に腹が出てきた。
    いや、正確にいうと、腹が出ていることに気づいてしまった。
    それが、およそ、3ヶ月前だった。
    これまで何をどれほど食べても飲んでも太らなかった。
    これが、いわゆる中年太りというものであろうか。
    石原慎太郎は太陽の季節で若き力を誇示したが、最近では老衰を晒すことにより人間の生涯を作家として最後まで表現している。
    かくいう私も、これまで、いわゆるデブを馬鹿にしてきた人間であった。
    デブは現代病であり、生活習慣病であり、農耕民族的自堕落な日常生活を何ら自戒することなく行ってきた者たちの成れの果てである。
    そのような考えであった。
    しかしながら、老いの過程で、私自身がデブとなってしまったのである。
    無論、何をどう喚こうと、農耕文化の成れの果ての現在に生きているのであるから農耕民的ぶよぶよ体型になるのは当然なのだが、それでも忸怩たる思いが人一倍湧いてくるのであった。
    ということで、私の中の他の私たちを集め、緊急の臨時集会を開くこととなった。
    その中の一人からはデブになるのも面白いという意見もあった。
    だが、最終的には、作家の端くれとして世情と関係なく自らの言動に責任を持つ必要があるのだから、運動や食生活など日常生活の改善が必要だという意見にまとまったのである。
    すぐさま、私は、閉店セール中のアウトレットの靴屋に駆け込み、少年時代からの憧れプーマのシューズを半額の2500円で購入した。
    その後、しまむらに駆け込み、中高生に人気のFILAの上下ジャージ&Tシャツの3点セットを1980円という格安特価で購入した。
    それらに着替え、次の日から、近所の公園で、奥様たちにまぎれ、ウォーキングをはじめた。
    数日たち、ただ歩いているだけではつまらなくなった私は、村上春樹よろしくジョギングをはじめた。
    30分がいつからか1時間になった。
    そして、家では、国民的アニキ長渕剛兄ィよろしく筋トレをはじめた。
    毎日、全身鏡の前で全裸になり、無残に突き出た腹を見つめ、やれやれと嘆きジョギング、何クソと憤り筋トレを続けたのであった。
    1ヶ月が過ぎた頃には、あの腹筋ローラーをAmazonにて700円で購入した。

    そうして、約3ヶ月たち、私は、豹となった。

    いつの間にか、腹はひっこみ、竹槍をかついだアフリカ原住民男子のような無駄のない豹のような肉体を手に入れた。
    全身鏡の前で全裸になりながら、うっとりする毎日である。
    最近では、買い手はあるかしらという懸念はあるものの、そろそろ三島由紀夫よろしくヌード写真集でも出そうかと思いはじめているところである。
    現在、大体、こういう感じである。
    豹





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