マイペース・マイワールド

    心おもむくままに

    小柳日向との会合 その2 ーピザとパスタと零号表紙ー

    「ピザ屋さんなので、ピザにします」
    小柳日向はクールにピザランチを頼んだ。
    おれは、もはや意地になって、パスタランチを注文した。
    ピサとパスタがテーブルに届き、日本でありながら狭いテーブルがイタリアの食べ物でいっぱいになる。
    小柳日向ははじめその1ピースをフォークで食べようとしたが、めんどくさくなったのか、手で鷲掴みにして口のなかに放り込んだ。
    おれのパスタは、あろうことか、あさりのスープパスタだった。
    この手のパスタはフォークだけでは食べづらい。
    常識的にも実用的にもフォークとスプーンを駆使しながら食べる必要がある
    しかし面倒なので、逆にフォークを一切使わず、スプーンで麺をすくい、そのまま口の中に流し込むという長い年月の末おれが独自に編み出した技を用いることにした。
    「これはおれが編み出した技だ」
    得意気に小柳日向に言うと、
    「すすっている音が店内に響いてますよ。子どもみたいですね」
    と呆れ顔で言い放った。
    ふと見ると、小柳日向の唇の端にチーズがくっついている。
    「そういうきみだってチーズが口についてるぞ」
    「それくらい、つきますよ」
    またもやクールに言い放つ。
    「それはともかく、文学フリマはどうするんだ?」
    食事のことより、本題に入ることにした。
    「行きたくないですね」
    「なんで? あれはさんが悪い」
    すかさず用意しておいた言葉を言った。
    「いえ、アレはどうでもいいんです。少しイラッとする時ありますけど」
    よかった、おれはホっと胸を撫で下ろした。
    「ならば一体何なのだ?もう文学フリマのカタログにも握手会開催って書いたのだぞ」
    小柳日向はゆっくりとナフキンで口元を拭き、神妙な顔つきになる。
    その気迫に、おれもパスタをすするのを一時中断した。
    「これは内緒にしておいてもらえますか?お得意のブログにも絶対に書かないと約束してくれますか?」
    頷くしかない。
    話を聞き終わり、再びおれは深く頷いた。
    「わかった。そういうことなら仕方ないね。気にするな」
    「すみません。第二回福岡ポエイチには必ず行くので」
    それから気を取り直して、食事を終えた。
    「では、表紙を見ようか」
    小柳日向がリュックから一枚の絵を取り出した。
    「どうでしょう?」



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    つづく。

    Category : 何故?記
    Posted by 椰子金 on  | 0 comments  0 trackback

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