マイペース・マイワールド

    心持ち喧嘩せず

    小柳日向との会合 その3 -福岡中洲四丁目・大洋映画劇場・序ー

    表紙1

    小柳日向から『何故?第二章 零号ー衝動ー』の表紙を受け取り、自分のバッグに入れた。
    「さて、次は福岡市美術館に観にいこうか?」
    次は、小柳日向の油絵を観に行く予定だったので、そう言うと、
    「えっ?なんで?」
    と小柳日向が聞き返してきた。
    まさかの「えっ?なんで?」という言葉にまたもや度肝を抜かれた。
    おれの方が「えっ?」だ。
    「だって、市美展に入選した絵が福岡市美術館に飾っているから観に行こうって…」
    狐につままれたようにおれが言うと、小柳日向はうふふと笑う。
    「あれ、落選しました。時間がなくて適当に描いたんで当然ですよね」
    更に続けて、おれの戸惑いも関係ないかのように、真面目な顔で、こう言い放った。
    「美術館って一人で行くもんですよ」
    それはその通りだが、今回はそういう話ではない。
    「じゃあ次はどうするんだ?何か決めてるの?」
    「もう帰ったらいいじゃないですか」
    「いや、今日一日休みをとってわざわざ来たのに…それはひどい…」
    次の行き場所が決まらないので、まだピザ屋にいる。
    博多駅構内だからか客足はたえず席待ちの客が並んでいる。
    痺れをきらした若いが表情の暗い生活に不満を抱えていそうな女性店員がテーブルにやってくる。
    「空いたお皿おさげしてもよろしいでしょうか?」
    おれは「ああ」と頷く。
    「じゃあ二十歳になったことだし、きみが行ったことない場所で行ってみたい場所に行こうか?」
    「行ったことない場所はいっぱいありますが、行きたい場所は特にないです」
    小柳日向は考えるまでもないという感じで、即座に答える。
    テーブルには水以外何も置かれていない。
    遠くから店員が早く帰らないかなあという視線を向けている。
    おれは行き場の無い孤児のような気持ちで水が入ったグラスを見つめている。
    不意に小柳日向が口を開いた。
    「あった!映画!」
    「確か博多駅構内に映画館あるな。よし映画だ。観たい映画があるの?」
    「いやココじゃなくて、観たい映画は全くないんですが、行ってみたかった映画館があるんです」
    「映画館?」
    「ええ、いつも通りかかるたびに気になっていた、中洲にある大洋映画劇場です!」
    「どんな映画館なの?」
    「すごく良い雰囲気の映画館で、外からしか見たことないですが、一度入ってみたかったんです」
    「よし、では、その大洋映画劇場とやらに行こう!」
    「はい。では、歩いていきましょう!」
    歩く?…



    つづく。




    Category : 何故?記
    Posted by 森井聖大 on  | 6 comments  0 trackback

    6 Comments

    小倉 says...""
    せっかくのよい白い空白が、文字でだいなしになってしまってる感が強いのですが、衝動、の二文字は限りなく余分ではないでしょうか。小柳氏の絵の魅力を削いでる感が強いです。空白は絵の一部です。絵の大事である空白が、文字で台無しです。
    個人的には、活字で情報な、衝動、の二文字を省いた方が、絵としても表紙としても絶対によいです。
    2013.03.18 18:29 | URL | #- [edit]
    森井聖大 says..."小倉くんへ"
    ありがとうございます。
    実はそういう意見を期待してupしてみました。
    ちなみに第二章零号はどうでしょう?
    2013.03.18 19:48 | URL | #- [edit]
    小倉 says...""
    うーん、と遠慮せず、僕の感性を正直に言うなれば、第二章零号、も余分な付け足しだと思います。小柳氏の絵のままが、ストレート直球勝負で、よいと思います。表紙にせっかく小柳氏が必要な情報として、何故? と、絵として決断して、描いてくれているし、僕も、何故? の三文字と、絵が、十分、観る人の色々な言葉を呼び起こせると感じます。その作品そのままで表紙になった方が、衝動的な表紙になると思います。
    2013.03.18 20:14 | URL | #- [edit]
    森井聖大 says..."Re: タイトルなし"
    そうですよね。
    僕もひとまず情報として書き加えはしましたが、やはりしっくりこなかったので、小倉君の言葉でふっきれました。
    小柳日向の絵の喚起力を信じ、そのままを表紙として使いましょう。
    ご意見ありがとうございました。

    2013.03.18 20:20 | URL | #- [edit]
    小倉 says...""
    ああでもあったほうがいいかなあ、難しいところ。でも、買ってくれた見知らぬ人が、表紙をめくり、『ん、第二章? え、零号? これは一体なんなのかしら。』と疑問を持ってくれたら面白いだろうし、僕はやっぱり付け足し無しを押します。作品としては間違いなく付け足し無しのままのほうが好き。雑誌としては、第二章零号、があったれば見る人にわかりやすい。しかしテーマが衝動やで、移り気するな、そのままで行け! ド直球! が僕は好き。
    2013.03.18 20:28 | URL | #- [edit]
    小倉 says...""
    いや、こちらこそです。すかさずコメントしてよかったです。どストレートで凄いと思います。大丈夫!
    2013.03.18 20:33 | URL | #- [edit]

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