ウワズミ、天皇を撃て!

    先日、『ゆきゆきて神軍』を観たが、監督の原一男は、ただ戦争責任の追求という、全くもって社会的な、まるでよくできた見本のような社会派の映画に仕上げていて、そんなことより奥崎謙三の思想に触れたかった私はひどくがっかりしたのだった。
    人肉事件という俗物的なショッキングさのみ強調していて、つまり白人兵の肉をシロ豚といい原住民の肉をクロ豚といい食べていた、それだけの映画だった。
    そうして同じく同僚の肉も食べていたというだけの。
    そういうひかりごけ的な戦争における非人道的な問題をのみ描き、奥崎謙三の根底にある崇高かつ雄大な千里眼的思想まで描けていなかったのが残念だった。
    奥崎謙三は昭和天皇パチンコ狙撃事件の後に自費出版で『宇宙人の聖書』や『田中角栄を殺すために記す』や『殺人論』といった優れた思想本を書いている。
    自費出版だったため、現在書店での流通はしておらず、日本の古本屋で探したら、どうにか『宇宙人の聖書』だけが一冊5000円という高値がついて売られている。
    本の値段が物語っている通り5000円ほどの価値ある本だ。
    奥崎謙三をキ○ガイ呼ばわりする者もいるが、私はそうは思わない。
    奥崎は尋常小学校卒の経歴だが、大卒の先鋭的な学者がようやくたどり着いた結論に、ニューギニアでの体験を基に、いち早くたどり着いていた。

    奥崎謙三は皇居での一般参賀の際、天皇陛下にむかってゴムパチンコでパチンコ玉を発射した。
    その時、奥崎謙三が叫んだ言葉は、
    ヤマザキ、天皇を撃て!
    であった。
    「ヤマザキ、天皇をピストルで撃て!」
    と叫びながら、天皇に向って、ヤマザキではなく、奥崎自らが(ピストルでもなく)パチンコ玉をぴょーんと撃ったのだ。
    明智光秀における、敵は本能寺にあり、というイメージが湧いてくる。
    明智光秀は織田信長を倒したが、奥崎は天皇を倒せない。
    奥崎は『ゆきゆきて神軍』のなかでこんなことを語っている。
    「戦時中、天皇崇拝の教育を受けた者ならわかるだろうが、天皇にむかってパチンコを撃つなんてことは並みの根性では出来ない」
    今時の人ならパチンコかよ、と思うかもしれない。
    それにくわえ、この奥崎の事件後、一般参賀の際のガラスを防弾ガラスに変更し、本物のテロリストに備えたという後日談までふまえると、天皇を守ったという皮肉な結果にもなっているから、おいおい奥崎何やってんだよと思う血気盛んな若者もいるかもしれない。
    しかし、私は、この言葉が、どうにも好きでたまらない。
    この言葉を叫んだ奥崎の心中を察すると胸が熱くなる。
    だからこそ、大坂文庫上住氏にも敬意をこめ、同じ言葉を捧げたい。

    ウワズミ、天皇を撃て!

    今まさに私は何度も何度もこう叫びながら小説を書いているところなのだ。

    ウワズミ、天皇を撃て!




    政治家国家国法を信じる農耕生活後の人類は一人残らず無知蒙昧な野蛮人であり重症のキ○ガイなのだろう。
    ああ、そうに違いない。


    余談だが、私は、今年に入って、パチンコで負けてばかりだ。

    たかがパチンコ
    されどパチンコ

    奥崎謙三よ、安らかに眠れ。
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