第三回福岡ポエイチ(私的)報告2「ああおまえは何しにきたのだと・・・吹き来る鯨が私に云う」

    12時の開場後、すぐにお客さんらしき人たちがなだれ込んできたのだが、どうにも皆、かわいいと評判の私の子ども時代の写真を使ったエロオナニスト宣言の表紙に振り向いてくれない。むしろ目を背けているような気もする。それよりも今回は私的に文キチじいちゃんの絵が気に入っていたのだが、誰も見てくれず通り過ぎるので、少々気落ちしていた。

    poeitibusu.jpg

    前に座っている牟礼鯨氏に、
    「文キチじいちゃんとぶんがくまんの絵、入れ替えた方がいいか?ぶんがくまんを真ん中にした方がいいか?」
    とアドバイスを求めたのだが、鯨氏は、
    「そういう問題じゃない。もっと考えることあるだろ」
    とやけに冷たかったので、私はもうどうしていいかわからずに、開始から30分も待たずして、わかばを吸いに喫煙所へ行くことにした。
    受付が外にあり、そこに福岡ポエイチスタッフであり読詩会@fukuoka世話人でもあるあみのきょうこさんとパン屋のぺったんの若い男性が座っている。
    その前を通り過ぎ、何度、喫煙所まで行ったことだろう。
    それからもブースに戻ってくるたびに、どうにも通り過ぎる人波にいてもたってもいられず、テーブル下のぶんがくまんたちの絵の向きについて考え手直しをするも、やはりあまり効果はない。
    そのたびに前のブースにいる牟礼鯨氏が、
    「だから、そういう問題じゃないから」
    と呆れ顔で何度も言ってくる。
    しかし、もう私には、どういう問題なのかもわからないのだ。
    13時半頃、まだ開場から1時間半であったが、もうその前を何度通り過ぎたのか私にはわからない。
    だが、パン屋のぺったんのお兄さんが「これで四周目ですね」と声をかけてきたので、ああ4回目かと気づいた。
    階段をあがり4回目の喫煙所へたどりつくと、一人の女性が紫煙をくゆらせながら背中を向けて立っていた。
    よく見ると14時からパフォーマンスをする本日のゲストである中原中也賞の詩人・三角みづ紀さんではないか。
    「もうすぐパフォーマンスの時間ですね」
    私が話しかけると、三角さんは真っ青な顔で振り向かれた。
    「緊張して……精神統一しようと……ここに来ました」
    まさにその緊張感は大地にヒビを入れるほどだ。
    これはいかんと私は緊張感を和らげてあげようと世間話をし人生について語ってあげることにした。
    「理想の人間になろうとすると疲れるよ、歳をとるということは、次第に自分になるということなんだからね。どんな人間でもいいんだよ。無理しないでいいよ」
    と年長者として教えてあげた。
    それから15分くらい話していただろうか。
    私のおじさんくさい説教に嫌気がさしたのか、あるいは私がいる限りここでは精神統一できないという結論に達したのか、しかしとても真摯な笑顔で、
    「ありがとう」
    と言い残し、三角さんは開始15分前に喫煙所を足早に去っていった。
    それから私はもう一本わかばを吸いつつ、下の道路で水鉄砲銃撃戦をしている子どもたちを眺めた。
    三角さんは本当にいい人だなあと思いながら、しかし大丈夫なのかなあ、という心配をしながら、パフォーマンスを見に、階段を降り、会場へ入った。
    すると前のブースの牟礼鯨氏が、
    「さっきおじさんが買いたそうに立ってたけどあんまりにも帰って来ないからどっか行ったよ。おまえ、変な絵だけ貼り付けて、ブースにほとんどいないけど、何しにきたの?」
    と呆れ顔で吹き来る風のように云ったのだった。


    つづく。
    コメント

    ………

    ものすごーく、笑ってしまったので、ひとこと。

    絵を見せに行ったのか、
    本を見せに行ったのか、
    ちょっと、待ってと。
    いや、Loveの頼んだ、
    本を探しに行ったんですよね(笑)

    編集長、かわいいです。
    (すみません)

    Re: ………

    どうにもブースに座っているのが苦手で・・・。

    遅くなりましたが頼まれていた本は昨日送りました。
    明日くらいには届くでしょう!
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