認知症という病気について

    現在、厚生労働省の発表によると、推計で認知症高齢者は400万人を超えた。
    しかし、これは、煙草の箱の下欄にある疫学的推計と同様、眉唾物だ。
    いきなり乱暴に結論を書くと、認知症という病気はないのだ。
    もちろん、アルツハイマー病だけが、認知症でもない。
    アルツハイマー病やピック病は若年者でもかかり、いわば、それこそが脳の病気だろう。
    老人の認知症は、同じようなMRIやCT画像だとしても、病気ではなく、ただの老化だ。
    同様の脳の萎縮が見られようと、若年者とは区別した方がいい。
    脳の萎縮が原因ではなく、原因は老化であり、目前に迫った死なのだ。
    脳の萎縮は認知症に限らずどんな老人にもある。
    長生きの結果にしかすぎない。

    しかし、今までボケの一言で済ませていた老化を、病気とすることに何の意味があるのか。
    結論を書くと、認知症とは社会病ではなかろうか。
    社会維持のために、ほとんど全ての老人を病人扱いし、善意の呵責もなく論理的に社会から排除する役割を担っている。
    これはただの変人を精神病とし社会から排除する図式と共通だ。
    いわば善意のフリをした棄民制度ではなかろうか。

    現在、よく認知症のニュースが取り上げられる。
    テレビでは認知症CMまである。
    うつ病CMの時と同じで、何だか厚生労働省が作ったかのような善意のCMに見えるが、実は製薬会社のCMだ。

    第一三共のテレビCM
    第一三共は認知症治療薬メアリーを販売している。

    ちなみにアリセプトという認知症治療薬を世界で一番早く開発したエーザイのCMはこれだ。
    エーザイ認知症CM

    アリセプトは1999年に発売開始され世界中で売れアメリカだけで1年間で20億ドル、日本に限って言えば2011年には何と日本国内で販売されている医薬品のトップ1に輝いた。
    年間売り上げ約1442億円。一つの薬だけの売り上げが、これだ。
    一体一つの製薬会社は1年間でどれだけ売り上げるのだろう。
    余計なお世話だが、2013年はエーザイ6000億第一三共は何と1兆円だ。
    これがどういうことかというと、抗精神薬同様、認知症薬もドル箱なのだ。
    それだけ認知症と言う診断名を医師が付け気軽に処方した結果だ。
    認知症の4大原因疾患には、アルツハイマー型の他に、レビー小体型、前頭側頭型、脳血管型、とがあり、これらで全体の9割を占めている。
    認知症薬とあるが、勘違いしてはいけない、それぞれ成り立ちが違うので、この薬が意味をなさないものもある。
    さらに、病院に行く老人は基本自発的ではなく生活するのに困った家族が連れて行くという現実があり、家族が治してもらいたいのは記憶、認知機能障害の中核症状よりも、むしろ徘徊や妄想、攻撃的な言動などの周辺症状(行動・心理症状)の方なので、この対処としてリスパダールなどの非定型抗精神病薬なども処方され、老人はただの老化に様々な薬を投与され、老人ならぬ廃人と化す可能性もある。
    このただの老化による症状に対しての投薬には賛否両論だ。
    精神病医療と通底する問題があるのは、精神科医が絡んでいるというだけでもなく、医療の立場からのアプローチは薬物療法しかないからだろう。

    さて、私事になるが、たぶん私の母は、レビー小体型認知症だ。
    私は、勘違いしていたが、今何かがはじまったわけではなく、もう随分前から症状は出ていたのだ。
    毎回、全く金などいらぬ施設にいながら「金がないから困る」と不安がるのを、勝手な思い込みで失見当だろうと思っていたが、レビー小体型の特徴であるうつ病からの貧困妄想だ。
    さらにもともと寝たきりになった要因である大腿骨骨折も、すり足でしか歩けず転倒しやすいレビー小体型の基本的症状からの怪我だった。
    さらには水を飲んだだけですぐに咳き込み食事をほとんどとらないのも同じく基本症状である嚥下困難なのだし、さらには毎回訴える便秘も同じくであり、まずレビー小体型で間違いない。

    認知症は、そもそも痴呆症と呼ばれていたものを、2004年に名称変更した。
    差別表現である呆けがよくないからと名称変更し、余計誤解が生じ始めたという論者もいる。
    名称変更でピンときた人もいるだろうが、精神分裂病から統合失調症への名称変更よりも評判は悪い。
    分裂病は文言から誤解される病名であったから家族会からの要望があり的を得た改名になった。
    しかし、痴呆から認知症への改名は、差別表現と言うよくわからない言葉狩りからのはじまりだ。
    痴呆の方がわかりよかったのに、認知というと多岐に渡り、ますます混乱を招いた。
    認知症とは、認知機能の低下をさす。
    しかし、それが認知症そのものではない。
    約70もの原因疾患を総称した、いわば寄せ集めの作られた病名だ。
    もし本当に病気と思うならば、安直に認知症と一括りにせず、それぞれの原因疾患に対し治療を施す必要がある。
    そのへんの適当さが、どうにも胡散臭い。

    最後に。
    今回3冊の認知症関連の本を読んだ。
    2冊は基礎的な本で、認知症治療に肯定的な本であり、どちらかというと家族の方に重きを置いた本だった。

    認知症 家族はどうしたらよいか-症状・診療・在宅ケア・介護保険 不安を抱え込まないつきあい方 (池田書店の健康と家族シリーズ)

    認知症とは何か (岩波新書)

    もう一冊こそ今回のブログのヒントとさせてもらった東田勉氏『認知症の真実』という本で、問題多き認知症現場をジャーナリズム的視点で描いた少しばかり懐疑的要素が強い本になる。
    まず基礎知識を知った後で、その問題点として、こういうことがあるのだという意味でも、是非とも読んでほしい。

    認知症の「真実」 (講談社現代新書)

    しかし、まだ何もわからない。
    色々なことが迷路のように入り組んでいる。
    認知症とは何なのか。
    もう少し勉強したい。
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