森井聖大ファンクラブ通信

    マイペース・マイワールド

    第四回福岡ポエイチにてー初詩集『人間よ去れ』にまつわる彼との対話(即売会の醍醐味)ー

    初日は『おおいた・ことばあそび界』の手伝いをし、二日目は自分のブースを出した。

    第四回福岡ポエイチ二日目ブース

    色々あったが、まずは印象的だったし象徴的だった初詩集『人間よ去れ』をめぐっての、彼との人間や生と死にまつわる対話を書きたい。
    その前に、前哨戦として、開場早々、一組の老夫婦が入ってきたことも付け加えておこう。
    80前後の老夫婦である。
    その婦人の方が、『人間よ去れ』を見つめ、微笑みながら、こう言った。
    「あらっ、私たちに死ねっていう意味かしら」
    すると、夫の方は、「ふむ」と頷き、少しばかり顔をしかめ、去っていった。
    何か説明しようかと思ったが、野暮な真似はやめておいた。
    「ああ、そういうことだ」とばかりに、ソファの背もたれにゆったり腰掛け足を組み、老夫婦を見送った。
    その後、閉場にさしかかった16時すぎ頃だった。
    彼がやってきた。
    50前後の見るからに一癖ありそうな男であった。
    彼は、私のブース前に立ち止まり、こう言った。
    「見本誌コーナーで貴方の詩集を読んで、色々考えさせられた。人間は犬と猫と一緒なのか。健康に気をつかって生きている人も癌になる。なんでだろう。なんで人間は死んでしまうんだろう。なんでだろう。なんで人間は殺しあうのだろう」
    この彼の不安げな表情と言葉にならないもどかしさを見て、私は、今回の初詩集『人間よ去れ』の成功を確信した。
    彼は、こうも言った。
    「人間は死んだら、天国か地獄に行く。そうでしょう。良い行いをした人は天国、悪い行いをした人は地獄。そうでしょ」
    彼はまだ頭の整理がついていないようだった。
    私は、落ち着きのない彼に、こう返答した。
    「もしかしたら今が地獄で、死ねばみな天国。こちらの方が真実味がありませんか?」
    彼は一瞬押し黙ってしまったが、振り絞るように、こう言った。
    「では、なぜ、良い行いをしなければいけないんですか。自殺したらいけないとかなぜですか」
    「それはもう聞くまでもなくおわかりでしょう。詩集を読んで」
    「しかし、花も水をあげないと枯れてしまう。同じように人間も水をやれば生き返るんじゃないですか」
    「いくら適切に水をあげていようと花もいつか枯れます。同じように人間もどんなにがんばってみても死ぬ時は死にます」
    私がここまで言うと、彼は、詩集『人間よ去れ』を手に取り、ブースに並べられた『おおいた・ことばあそび界ー創立記念号ー』と『ネオぶんがく宣言』も手に取り、こう言った。
    「とにかく良かった。貴方の詩集、考えさせられた。話せて良かった。これ全部ください」
    「はい、全部で、1200円です」
    本を通し、書き手と読み手が、対話する。
    この本を書いた人は遠くにいない。
    今ここに座っている、同時代、同じ空間、にいる私だ。
    まさにこれこそが、書き手にとっても読み手にとっても、即売会の醍醐味だろう。
    今回、『人間よ去れ』をだしてよかったことは、比較的その場ですぐ読める詩集で、世界観を描けたことだった。
    この『人間よ去れ』は、後日、電子書籍でも販売するので、是非、皆さまにも読んでもらいたい。

    Category : 福岡ポエイチ
    Posted by 椰子金次郎 on  | 0 comments  0 trackback

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