第四回福岡ポエイチにてー牟礼鯨との新文学運動会議「文学フリマは終わった。さてどうするか」ー

    初日は、ほぼ、丸一日、福岡ポエイチ会場隣の冷泉公園にいた。
    もっぱら私に絡んでくるシャボン玉を吹く子どもたちと遊んでいた。
    その合間に、牟礼鯨と、恒例の福岡文学会議をした。
    振り返ると、一年に一度、毎年6月この地で、文学運動の道筋を話してきたように思う。
    東京や大阪では、一種のお祭り的喧騒の中にいて、このことをじっくり話し合う場はなかった。
    今回の会議の内容は、簡単に言うと、『文学フリマは終わった。ではどうするか』である。
    これまでは文学フリマを基軸とした文学運動についてが主題だった。
    だが、私は昨年末文学フリマに見切りをつけ、牟礼鯨も今年から文学フリマが開催する全てのイベントに入場禁止となった。
    一年前には予想していなかったが、もはや文学フリマは有って無いものとなっている。
    私は、まず、中国現代文学を作り上げた郭沫若たちによる文学運動・創造社の役割について話した。
    「なんや、それ?」
    牟礼鯨は、いつものふざけた調子で、素っ頓狂に聞いてきた。
    なので、私は、いま私と鯨がいるこの地福岡で、約100年も前に起こった出来事を話して聞かせた。
    当時九大に留学していた郭沫若は、同じく中国人留学生であった張資平と出会い、帰国後、文学結社・創造社を作った。
    張資平は、福岡の箱崎海岸で、郭沫若にこんなことを言う。
    張「中国には実際読める雑誌が一つもないね」
    郭「社会にそんな要求がないからだろう」
    張「いや、僕たちが不満を持っているのと同様に、他の人も大いに不満を抱いているはずだ。何人か集まって純粋な文学雑誌を出したい」
    それを聞いた郭沫若は、何人かの人間を想像した。
    だが、この運動に加えるべき文学的人間は、どう考えてみても自分を含め四人しか思い浮かばなかった。
    それが、郭沫若、張資平、郁達夫成仿吾だった。
    「へえ、そうなん。じゃあ、おれ郭沫若で、あんたが張資平ってことなん?」
    牟礼鯨は、またもや素っ頓狂に言う。
    郭沫若は戦後も文学者・政治家として中国において高い地位を築き、無論wikipediaにも項目がある。
    だが、張資平は戦後、漢奸罪、反革命罪に問われ、懲役20年の判決を受け、労働改造農場で病死し、中国現代文学の礎を作った創造社の発起人にも関わらずwikipediaにすら記載がない。
    「まあ、そうなるだろう」
    私の予言によると、牟礼鯨は三代目文学フリマ事務局長であるし、どのみち張的な末路が私には相応しい。
    更に続けて、私は、こう言った。
    「文フリは終わった。次からの文学運動は文フリから離れ、今度こそ商業出版社に脅威を感じさせることをしよう!」
    すると、すっかり私の大分弁がうつった牟礼鯨は、こう言った。
    鯨「文フリはすもつくれんイベントになっちょんな。M月の人相もだいぶ悪くなってきちょんし」
    私「ああ、今日ここに来て思ったが、文フリ的雑誌とか文フリ的本というのは、極めて古臭いしセンスがない」
    鯨「そうっちゃ。なんやしらん、教科書を真似たようなくだらん本とか、文学という名に寄りかかった古臭い文体や装丁の本ばっかやしな、なんや優等生が作りそうな本ばっかっちゃ」
    私「ああ、そもそも同人誌といっても、本当の同人誌なんて一つもないじゃないか」
    鯨「そうっちゃ。ただの寄せ集めのアンソロジーや。寄稿誌や。同じ志も、思想も、何もないけんね」
    私「そこで私は考えたんだが、反人間主義を掲げる西瓜鯨油社に入る。そして、反人間主義、反商業主義、反文学フリマを掲げながら、真の文学を追求しようではないか!」
    鯨「えっ?いや、あれよ、もう西瓜鯨油社ないけんね」
    私「でも、ほら、wikipediaにまだ載ってるじゃん?」
    鯨「それは、あんたの仕事や」
    かれこれ、2時間ばかり話しただろうか。
    とにかく今度こそ成功しないといけない。
    私「郭沫若が魯迅を攻撃したように、我々ももう、M月とかY崎とか小物を相手にせず、大物に向かっていこうぜ」
    鯨「わかっちょんわい」
    さて、この新しき文学運動は、これからどういう展開を見せるのだろうか。
    乞う、ご期待。
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