マイペース・マイワールド

    金持ち喧嘩せず

    第四回福岡ポエイチにてー代表・暴走「おおいたの高田純次こと、にぎにぎで~す」ー

    初日も打ち上げに行った。
    場所は、ポエイチ打ち上げの定番である、やぶれ居酒屋ではないもう一つの方だ。
    確か『ごえん』という居酒屋だ。
    私は、どちらかというと、こちらの店の方が好きだ。
    座敷の卓の配置も、文芸誌で例えるなら、やぶれ居酒屋は二段組(二列)だが、こちらは一列で、すっきりしていて、皆の顔が見えやすい。
    更に言えば、ビールもジョッキだし、トイレも近くにある。
    私はいつものように奥の席に座った。
    大体、奥に座るのが習慣になっている。
    教室で例えるなら、一番後ろの角、みたいな感じだ。
    私の横に、『おおいた・ことばあそび界』のにぎにぎ代表が座られた、その横に高森純一郎氏だ。
    私は、ひとまず、前に座った『トゥルーメモリー』のTAKAさんと文フリや即売会について意見交換した。
    TAKAさんは秋葉原の時から文フリにでていて、流通センターに移って一回目までは参加したが、その後はやめたとのことだった。
    「秋葉原の時が一番良かったんじゃないかな」
    そう言っていた。
    確か前回のポエイチ打ち上げでも、同じ事を三角みづ紀さんが言っていたのを思い出した。
    「SNSやツイッターが文フリを変質させたよね。あまりそういうの好きじゃないから」
    TAKAさんは、若く見えるが私より少し年上で、とても穏やかな話しぶりの人だった。
    自分のライフスタイルを大事にしている人のようで、今は、地元である関東の即売会には一切出ずに、地方での即売会にのみ出ているそうだ。
    「旅行もかねてって感じかな」
    自然体すぎるほど自然な人で、こういう即売会を利用しての全国行脚の生活も面白いだろうな、と素直に思えた。
    ただ私もこういう性格なので、私の意見も言わせてもらったが、それに対しても、微笑を浮かべてくれた。
    「色々な人がいていいし、僕は僕の思う生き方をしてる、君も君の思うような生き方をしてる。色々な意見があっていいじゃない」
    やはり東京の人はスマートだ、初めてまともな東京人らしい東京人と出会えた気がした。
    これは今日来て良かった。
    そんなことを思っている時だった。
    「おおいたの高田純次こと、にぎにぎで~す」
    不意に、そんな、にぎにぎ代表の大声が横から聞こえてきた。
    ふと横を見ると、赤ら顔の代表が、目の前の女性陣たちに何やらちょっかいを出しているところだった。
    もう昼間の勇者の面影は一つもない、全く詩人でも何でもない、ただの酔っ払いのおっさんと化している。
    「監禁したいな~。おれと付き合おうよ~」
    目の前の女性陣に、いつものように、意味不明のことを言っている。
    私は、何度か代表と飲んでいるから、この監禁趣味も耳慣れているが、女性陣たちは初耳だろう。
    今度は、目の前のささめき文庫の女性をつかまえて、こんなことを言い出した。
    「シャツのボタン全部とめてる子が好きだな~」
    たしかに、その女性は、首までボタンをとめている。
    ここは大分の為にも、何とかフォローしようと思った、その時だった。
    「でも、本当は、胸まではだけてた方がいいでしょ」
    女性は、そうして胸をがばっと開く動作をした。
    「こうでしょ!」
    「いや、おれは、ボタン全部……」
    そう代表が言いかけたら、最後まで言葉を待たず、女性はまたもやジェスチャー交じりで返す。
    「でも、本当は、胸まで見えてた方がいいでしょ」
    その時の、その女性の仕草が、コミカルで面白くて、私は思わず笑ってしまった。
    意表をつかれた代表は少しおとなしくなったが、すぐまた席を移動し、次なる獲物を探しにいかれた。
    「おおいたの高田純次こと、にぎにぎで~す」
    遠くから、何度も、この言葉が聞こえてきた。
    もう私にはどうすることもできない。
    「おおいたの高田純次こと、にぎにぎで~す」
    一体、この初日打ち上げで何度この言葉を聞いただろう。
    私は、斜め前にいた、ポエイチ主宰の夏野さんに、こう言うしかなかった。
    「今後とも、代表をよろしくお願いします……」
    そうしていても、また、どこからともなく聞こえてくる。
    「おおいたの高田純次こと、にぎにぎで~す」
    昼間の緊張が解かれ、解放感でいっぱいなのだろう……。
    夏野さんは、頷きながら、ただただ、苦笑していた。
    もう、この初日打ち上げは、この台詞しか残っていない。
    「おおいたの高田純次こと、にぎにぎで~す」

    Category : 福岡ポエイチ
    Posted by 椰子金 on  | 0 comments  0 trackback

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