マイペース・マイワールド

    金持ち喧嘩せず

    命二粒(野坂昭如と安藤昇)

    野坂昭如と安藤昇が死んだらしい。
    ニュースで知った。
    もともと知り合いでも何でもないが、ジャンルは違うが同じくメディア(本と映画)で二人の存在は知っていた。
    青年期からお二人は私の尊敬する言うなれば人生の先輩であった。
    もちろん会ったことも話したこともない、本当のところは何も知らない、ただの私の個人的なイメージである。
    これで昭和が終わった。
    昭和が終わったとは使い古された言葉で馬鹿馬鹿しい言葉だ。
    だが、まさに敗戦の象徴である闇市の終わり、坂口安吾『堕落論』の具現者たちの死を実感させる、お二人の相次ぐ死であった。
    お二人は、虚無から有を作り出すことを欲しない、そんな欺瞞を演じなかった数少ない純粋な人間であった。
    この世には所詮何もなく、在るのは取り巻く宇宙生命の流れのみである。
    だからこそ、大切なのは、人間として生を受けた、この命一粒なのである。
    あの時、安藤が横井秀樹を撃ち殺していれば、ホテルニュージャパンでの犠牲者は出なかったのではないか。
    そう思えば、何が善で何が悪であるか、誰にとやかく言えるだろう。
    ただ「気にくわねえ」も立派な先見の明である。
    それを知るのは、司法ではなく、人間である私である。
    一方、野坂さんも「気にくわねえ」を大切にした人であった。
    みなも一度は見たことあるだろう。
    お祝いスピーチの時間を大幅に待たされ、「気にくわねえ」とパーティの主役・大島渚をマイクで容赦なくどついたのだった。
    何も知らない赤の他人であるが、恥ずかしながらも、私は心から、一生涯、戦い続けた、僅かな違和感「気にくわねえ」を大切にし続けた、諸先輩お二人のご冥福をお祈りしたい。
    ありがとうございました。
    もし会うことがあれば、あの世ではお話しましょう。
    特に話すこともありませんが。
    さよなら。

    Posted by 椰子金 on  | 0 comments  0 trackback

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