傘泥棒の向上心

    帰りに雨が降った。
    所謂どしゃ降りであった。
    傘を持っていなかったが慌てることはなかった。
    もう帰る前からしっかと決めていたのだ。
    工場入り口の傘立てを一瞥した。
    無数の傘の中から一本のビニール傘を拝借した。
    この間わずか10秒ほどである。
    私は計画通り事を運んだ。
    あまり長時間傘立ての前で傘を物色しないのがプロである。
    またこういう時はビニール傘を手に取るのが最低限のマナーであろう。
    外に出てひょいとビニール傘を広げ歩き始めた。
    しかしこの傘が思いの他小さかった。
    頭以外ほぼ濡れる始末で体の八割方を濡らし歩いた。
    ふつふつと憤りのようなものが込み上げてきた。
    これでは意味ないではないか。
    私は雨に濡れながら反省した。
    今度はきちんとサイズまで確認しよう。
    そう心に決めた。

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