マイペース・マイワールド

    金持ち喧嘩せず

    壊れたクルマ奮闘記

    前回書いた車の故障についての続報をお知らせする。
    まずはじめに、故障といっても色々あり、一口にエンジンがかからないといっても様々な原因が考えられるのであり、更に私の車は今時の消費文化が発達した商業主義の末期的日本人ならばもう手放しているだろう走行距離20万キロを超える軽のオートマ車である。
    何が起きてもおかしくない状態であった。
    このことを念頭においてもらい、手短かに今回の症状を言おう。
    予兆は一ヶ月ほど前、信号待ちでの停車時から現われていた。
    D(ドライブ)レンジのままブレーキを踏んで停車していると、俄かにエンジンの回転数が落ち、震度4程度の不自然なノッキング(振動)を感じるようになったのだ。
    とはいっても古い車だ、こういうことは今までだってあった。
    車にだって気が乗らない時もあろう、もう少し様子を見よう、と私は思った。
    そうするとやはり大したことはなかったのか、春の訪れで暖かくなってくるのと正比例し、信号待ちでの振動が減ったのだ。
    だから私は素人判断で「寒かったからね」と結論付けたのだ。
    そんなところにあの事件が起きた。
    仕事場へ向かう途中の最後の坂道を登ろうとした時それは起きた。
    アクセルを踏み込んでもスピードが出ないのだ。
    あれ?
    しかもアクセルを踏んでいるのに回転数が落ちていくではないか。
    そしてあえなくエンストしたのであった。
    何度かキーを回すとエンジンはかかり、かろうじて仕事場へはたどり着いた。
    大丈夫か?まあ動いたことだし一時的な気の迷いだろう、今日は寒かったし、帰りは大丈夫だろう。
    だが帰宅時エンジンをかけるべくキーを回したが、セルは回るが何故かもうエンジンがかからなくなっていた。
    ここ数日調子が良かっただけに私のショックは計り知れない。
    修理代もないのだ。
    都会の連中は交通機関が麻痺したら帰宅困難者になるらしいが、田舎の人間は車が壊れれば帰宅困難者になる。
    それでも都会の奴等の様に誰かを責める事はできない、田舎の人間は全て自己責任なのである。
    この場合は私の整備不良それだけである。
    無論、車に関しては、まだ諦めていなかった。
    仕事場に必ず一人はいるクルマに詳しい人間に「エンジンは壊れる前は調子いいからね」と言われても。
    それでも何かを結論付けるにはまだ情報がなさ過ぎるのだ。
    次の日は休みをとり早速持ち前の検索技術を活かしネット検索した。
    するとどうやらスパークプラグのような気がしてきた。
    間違いなかろう。
    そこで近所のオートバックスに行ったら1本1500円もした。
    私の車にはプラグ3本いるから4500円もするのである。
    さすがに手が出ない。
    そこで電子書籍作家でもある私は得意先でもあるamazonでプラグを検索してみた。
    すると何と1本250円であった。
    といってもプリンターの互換性インクと同じような名もないメーカーが作った互換性プラグというやつだ。
    それでいい、いや、これしかない。
    前述のクルマに詳しい人間に「おれは250円のプラグとか買った事ないが」と言われてもだ。
    そう決めた私はこの250円のスパークプラグ3本と771円のプラグレンチ1本を購入した。
    これで送料含め約2000円であった。
    これをオートバックスでやってもらうとプラグ代だけで1500円×3で4500円、更に工賃1本あたり500円×3本で1500円以上取られ、税抜きで合計6000円はするのである。
    自分でやれば4000円以上は得をする。
    プラグが来るまでの間、私は山の上の小学生のように歩いた。
    自宅から最寄駅まで30分、10分電車に乗って、駅から仕事場まで1時間半、片道2時間以上かけて仕事場へ通った。
    自宅から駅まで私の横をクルマで通り過ぎていく同僚たちは年末に突如スキンヘッドになった男が今度はいきなり最寄り駅1時間半の駅から徒歩で通勤しはじめたことで以前にもまして恐れおののいているようだった。
    だが一人の優しきもっこすが「あれだったら送りましょうか」と声をかけてきた。
    正直心が揺らいだ。
    せめて駅まででも。
    だが、ここで乗せてもらったなら私は作家として何を語れるだろう。
    何の論理的な根拠もないのだが、長渕のライブ前の筋トレのようなものだろう。
    辛くても、いや辛いからこそ、やり遂げなくてはいけないことのように感じたのだった。
    「気持ちだけ受け取っておく」
    私はそういって歩き続けた。
    肉体の疲れは私にランナーズハイのような状態をもたらした。
    帰り着くと、ドーパミンが溢れ出し、目がぎらぎらして眠れなくなり、腕立てや腹筋さらには背筋までやった。
    鏡を見ながらのシャドーボクシングまでやりはじめる始末だった。
    私はどうなってしまうのか、このままでは長渕になってしまう。
    心底恐ろしくなったが、肉体が悲鳴をあげればあげるほど、筋トレは止まらなくなった。
    そんなこんなで酷い状態だったが、ようやくスパークプラグと工具が届いた。
    この1週間持ち前のネットサーフィン技術でスパークプラグ交換の要領はつかんでいる。
    早速、一昨日、スパークプラグを新品に代えるべく、ボンネットを開いたのだった。
    だが……。
    ああ私は徒歩と徒労で疲れている。
    続きはまた今度話すことにする。










    Posted by 椰子金 on  | 0 comments  0 trackback

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